目にやさしい自然な色合いと表情、直接素肌に伝わってくる温もり、気分を落ち着かせてくれる芳香、そして室内空間の調湿作用・・・、これらは天然素材である無垢木材ならではの特徴です。
今号では、そんな無垢木材の特徴のなかから、木目の視覚的効果について取り上げます。
木目とは、木材の表面に現れる模様のことを言います。その形状は木の生長記録ともいえる年輪や土の中の水分等を吸い上げる導管などの配列によって変化するため、同一の樹でもまったく同じ木目になることはありません。
また、木目は木の切り方によっても、異なる模様があらわれます。年輪に対して直角に切り出したものを「柾目」といい、まっすぐな線となってあらわれます。逆に年輪に対して平行に切り出したものを「板目」といい、波形や山形の変化に富んだ模様となります。
木目は自然によってつくりだされた意匠という側面だけでなく、身体的・精神的な効能を与えてくれます。
紫外線を吸収し、まぶしさを和らげる
太陽の光をたくさん浴びることができる日当たりのよい部屋はとても気持ちがよいものです。しかし、必要以上の光は、まぶしいだけで目を疲れさせることにもなりかねません。それは太陽光線の中に、有害な紫外線が含まれているのが原因です。
アルミニウム・コンクリート、木材の光の波長ごとの反射率を比較すると、紫外線の反射が最も少ないのが木材です。これは、木材が有害な紫外線を吸収してくれることを意味します。木材を多く使用している部屋は、目にやさしい光であふれているということになるでしょう。
さらに、木材には、金属やプラスチックとは異なる独特の光沢があり、木材特有のテクスチャーをつくりだしています。木材の表面は肉眼では見えない小さな凸凹があり、それによって光が拡散されるため、木材から反射される光は、程よい光沢となって目に映るのです。実はこの光沢こそが、本物の木と偽物の木との最大の違いで、人間の目はそれを無意識に感じ取ってしまうといわれています。
樹木の年輪の間隔は「1/fゆらぎ」といわれています。「1/fゆらぎ」とは、ちょっと不思議な言葉ですが、“規則正しさ”と“不規則さ”がちょうどよいバランスで調和したパターンのことをいいます。このゆらぎは、“自然界”によって生み出されたリズムで、この不安定さが人に心地よさを与える効果があるといわれています。年輪や木目は、等間隔のように見えても実は微妙なズレがありまさにこの“秩序のなかの無秩序”こそが視覚を通して人の感覚を心地よく刺激するのです。
その他、「1/fゆらぎ」を持つものとしては、小川のせせらぎや波の音、星の瞬きなどがあります。赤ちゃんがお母さんの胸に抱かれていると、いつの間にかスヤスヤと寝てしまうのは、人間の心拍の音が「1/fゆらぎ」であるため、ともいわれています。
木目の模様・光沢もまた、木が味わい深く、心がやすらぐといわれる要因のひとつでしょう。
マルホンの無垢木材について
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無垢木材の「質感」・「香り」・「あたたかみ」を実際に体感いただくため、 株式会社マルホンでは、浜松と東京、大阪、福岡の4箇所にショールームを開設。 いずれもフローリングやパネリングを始めとする、国内外の豊富な木材をご紹介しております。
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