フローリングのお手入れと言えば、多くの方が「ワックスがけ」を一番に思い浮かべるのではないでしょうか?
小学校の教室を皆でワックスがけして床をピカピカにした…という思い出をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
今回はそんな「ワックスがけ」と「無垢材(無垢フローリング)」の関係性についてご紹介していきます。
「無垢材にワックスがけは必要なの?」
これはショールームでもよくいただく質問の一つです。
結論から先にお伝えしてしまうと、基本的に、無垢材には「ワックスがけ」は必要ありません。必要なのは、仕上げに使用した塗料による「再塗装」です。
そもそも無垢材は、その自然な質感や調湿作用*といった魅力を最大限に生かすため、オイルや蜜蝋など「浸透性塗料」で仕上げることが多い素材です。
これらの塗料は、フローリングの表面に膜を作ることなく中に浸透していくため、木の質感を損なわず、呼吸を妨げません。
*調湿作用:周囲の温度や湿度にあわせて、湿気を吸ったり吐いたりする無垢材の作用のこと。これにより室内の湿度を調整している。
一方で、一般的なワックスは、合成樹脂(≒プラスチック)を主成分としています。
これをフローリングの表面に塗り重ねることで、もともとの塗装の上にワックスの膜が作られるため、表面の保護や艶出しができるという仕組みです。
では、このワックスを先ほどの「浸透性塗料」で仕上げた無垢材に塗ると、どうなるでしょうか。
せっかくの自然な風合いが樹脂性のワックスによって蓋をされるため、木本来の魅力は閉じ込められてしまいます。
つまり、「浸透性塗料」で仕上げた無垢材には、「ワックスがけ」はご法度なのです。代わりに、仕上げに使われている塗料と同じものを使った「再塗装」のお手入れをおすすめしています。
オイル塗装のものにはオイル、蜜蝋塗装のものには蜜蝋を定期的に塗り重ねることで、無垢材のかさつきを防ぎ、より美しい経年変化を楽しむことができます。
ちなみに、無垢材であっても例外的にワックスがけができるものもあります。
それは、フローリングの仕上げに使用されている塗料が、ウレタン塗装などの「コーティング系塗料」である場合です。
この塗装は先ほどの「浸透性塗料」とは対照的に、そもそもフローリングの表面に蓋をしている状態ですので、上からワックスを使ってお手入れをしても問題はありません。
ただし、表面を仕上げているウレタン塗装とお手入れで塗り重ねるワックスの艶感が異なる場合があるので、ワックスがけを行う場合は、あらかじめ目立たないところで試し塗りするなど対策をするのがおすすめです。
▼塗装の種類と選びかた
https://www.mokuzai.com/contents/column/types-of-paint/
▼浸透性塗料のお手入れ方法
https://www.mokuzai.com/LearningWood/in_di-129
今回は「ワックスがけ」と「無垢材」の関係性についてご紹介しました。
浸透性塗料や無垢フローリングはお近くのマルホンショールームにてご覧いただけます。
ぜひお立ち寄りくださいませ。