天然素材である無垢材は、色の濃淡や木目にふたつとして同じものがなく個体差があるのが特徴です。床材に無垢フローリングを採用すると、「壁や家具の面材は白の予定です…」とシンプルな組み合わせをされる方が多い印象を受けます。
もちろん「白」は万能カラー。どのような個性の強い樹種とも相性は抜群です。ですが、実はさまざまなカラーバリエーションと無垢材の相性が良いことも事実。今回のブログでは、壁や天井、家具などにさまざまな色調(トーン)をアクセントカラーとして配色した内装をご紹介いたします。
【ペールトーン】
淡く澄んだ色調のペールトーン。優しい色合いなのでお部屋の大きな面積に配色するのもおすすめです。
左の画像は、ウォールナットのヘリンボーンにブルーグレーを合わせました。まるでヨーロッパの洋館のようなクラシカルな内装にマッチしています。
中央の画像はタモの柾目フローリングに合わせたメロンシャーベットのようなグリーンカラー。タモ材は、植物オイルの塗装を施すとやや黄色味が強くなりますが、インビジブルコート(水性ウレタン)仕上げにすることで、まるで無塗装のような風合いになっています。ペールグリーンとの組み合わせで爽やかな印象を与えます。
右側の画像はヨーロピアンオークのヘリンボーンフローリングにレモンクリームのような優しい黄色を合わせました。中央の画像同様、オーク材に蜜蝋樹脂ワックスを塗装することで彩度を落としています。このように無垢フローリングを仕上げの塗装によって色味を抑え、無塗装のような風合いにすることで、ペールトーンの優しい色調がグッと引き立っている事例ですね。
【ディープトーン】
絵具の純色に少し黒を混ぜたようなディープトーン。落ち着いた印象を与える濃く、深みのある色調です。お部屋を印象付けるアクセントウォールとしてご採用いただくことが多いかもしれません。
左の画像は木目が優しいバーチのヘリンボーンに深いワインレッドの壁。ヘリンボーンフローリングという古典的な張り方でありながら、ブラックの天井と壁の彩色によってモダンな印象になっています。
中央はミルキーウォッシュ塗装を施した白く明るいヨーロピアンオーク材に、藍染めのような深いネイビーの壁面を合わせました。ともすれば寂しい印象を与えかねないモノトーンの室内に、絵画のような彩りを添えています。
右側の画像は35㎜という細い巾のヨーロピアンオークフローリングに、天鵞絨色のような深い緑色をアクセントカラーとして。ナチュラルなトーンのオーク材と、まるで観葉植物を思わせるボタニカルグリーンの組み合わせは相性間違いなしですね。
【グレイッシュトーン】
全体的に彩度の低いグレーは、濃淡の違いはあれど、白色に近い感覚でさまざまなカラーと調和しやすく、壁面全体に使用していただくことが多いイメージです。左側と中央の画像のように近い色相の草木染フローリングとの相性が抜群ですが、右側の画像のようにブラックチェリーやウォールナットの天然色とも非常に良くマッチし、シックで落ち着いた空間を生み出します。
【ビビッドトーン】
最も彩度の高い鮮やかな純色であるビビッドトーン。左の画像はディープトーンでもご紹介したミルキーウォッシュ塗装を施したヨーロピアンオークのフローリングですが、アクセントカラーの違いでだいぶお部屋の印象が変わります。ビビッドトーンは元気いっぱいのイメージを作ることができるので、右側の上下の画像のようにお子様の家具などに使用するのも方法ですね。
アクセントカラーのある室内空間はいかがでしたでしょうか。
無垢フローリングにアクセントカラーを合わせて、他にはない唯一無二の空間を演出してみてください。