カバザクラは、ペールトーン(淡く澄んだ色)の色合いが美しい広葉樹です。光を反射してキラキラと光るその材面には、特徴的な縮れ杢(もく)の模様が散在しています。
今号では、変幻自在に表情を変えてゆくカバザクラの魅力と、その魅力を最大限に引き出す塗装についてお伝えします。
カバザクラはその名前から「桜」だと思われがちですが、実は違います。英語で「birch(バーチ)」と呼ばれるこの木は、植物学的には「カバノキ科」に属する「カバ」。日本では、主に北海道に生育しているミズメやマカンバなどの仲間にあたります。
しかし、その淡い色の木目や横長の皮目(ひもく)が桜に良く似ていることから、古くからカバザクラという名称で親しまれてきました。
写真2:カバザクラ立ち木
カバザクラは、そのグレードや張り方次第で、変幻自在に表情を変えてゆきます。
■グレード
カバザクラは散孔材であり、心材部分は褐色、辺材部分は淡い桃灰色をしています。時間を経るごとに深みを増し、落ち着いた色味へと変化するのが特徴のひとつです。グレードによって辺材と心材の比率が異なるため、張り上げた際の表情も大きく異なってきます。セレクトグレードは、ほぼ色のばらつきがありません。全体に広がるペールトーンの色合いが、すっきりと洗練された印象を与えます。
一方のキャラクターグレードには、濃色のピースも多く入ってきます。セレクトグレードと比較すると一目瞭然です。この色のばらつきが、にぎやかでキャラクターの強い空間を作り出します。
グレードについては、下記にて詳しくご案内しております。
■張り方
カバザクラは「すだれ張り」もしくは「韓国張り」で張り上げることが可能です。
フローリングは「乱尺張り」「りゃんこ張り」のように1つ1つのピースをずらして張る方法が一般的ですが、すだれ張りでは、同じ長さの材を巾方向の接合面を揃えて張ります。また、その継ぎ目部分に見切り材を通したものが韓国張りです。どちらも短い素材を整然と張り上げるため、落ち着いた雰囲気に仕上がります。
定尺のフローリングでのみ可能なこの張り方は、通常の張り方では単調になってしまいがちな、広い空間にもお薦めです。
写真4:すだれ張り
フローリングの張り方については、下記にてご紹介しております。
カバザクラは、桜に似たペールトーンの色合いが最大の魅力です。
淡色の床材は比較的汚れが目立ちやすいため、耐汚染性にすぐれたウレタン塗装を選択される方も多くいらっしゃいます。しかし、表面をコーティングするウレタン塗装では、せっかくの無垢材の手触りが損なわれてしまいます。また、無垢材の風合いを活かすことのできる浸透性塗装でも、その塗料によっては黄色味が強くなるため、魅力的な淡い色合いが失われてしまいます。
そこで当社では、濡れ色を抑え、無塗装に近い自然な色味に仕上げることのできる浸透性塗料Arbor蜜蝋樹脂ワックス塗装を標準仕様(プライムグレード、セレクトグレードの場合)に設定しています。Arbor蜜蝋樹脂ワックスについての詳しいご案内は下記にございます。
*キャラクターグレードに関しては、より木目や色むらの際立つArbor植物オイル塗装を標準仕様に設定しています。Arbor蜜蝋樹脂ワックス塗装への変更も可能です。
また、「水周りにも同じ材を使いたいが、浸透性の塗料を使用すると汚れが付きやすいのでは」とお悩みの方には高機能塗装であるArborインビジブルコート塗装品をご用意しております。
メンテナンス性に優れ、他の塗料と比べて耐摩耗性や耐汚染性が高い高機能塗料は、従来の浸透性塗料と比べると水染みが出来にくいため、水周りへもご使用頂けます。基本的には定期的なメンテナンスも不要ですので、共働きなどで忙しくされているご家庭にもお薦めです。Arborインビジブルコートについて詳しくご覧になりたい方は、下記をご参照ください。
そのグレードや張り方によって、変幻自在に表情を変えるカバザクラ。ペールトーンの色合いを活かした塗装で、さらに深まる魅力をお楽しみください。
マルホンの無垢木材について
よく分かるカタログを無料でお届けしています。
お気軽にお申し込みください。
無垢木材の「質感」・「香り」・「あたたかみ」を実際に体感いただくため、 株式会社マルホンでは、浜松と東京、大阪、福岡の4箇所にショールームを開設。 いずれもフローリングやパネリングを始めとする、国内外の豊富な木材をご紹介しております。
専門スタッフが適材適所の木材選びをサポート。 目で見て、手で触れて、ダイレクトに感じて、ご希望に合った無垢木材をお選びください。