“ワックス”と聞くと多くはカーワックスやヘアーワックス、スキーワックス、キャンドルなどを連想するものと思われますが、ワックスには明確な定義はなく、強いて言えば、ワックスは常温では固体で加熱すると比較的低粘度の液体となる物体のことであり、動物由来の蜜蝋ワックス、植物から採取されるキャンデリラ蝋や木蝋、石油系のパラフィンなど、多くの種類が存在しています。
ワックスの語源は、ミツバチの巣から採取される蜜蝋に由来していて、その歴史は古代エジプト時代にまで遡ります。時代が進むにつれ、蜜蝋以外のワックスが発見され、様々に利用されてきましたが、現代においても蜜蝋ワックスが重用されています。それは蜜蝋ワックスが扱いやすく性能が優れているため。主に化粧品やロウソクの原料として用いられていますが、木材に使用すると、表面に皮膜をつくり、適度なツヤと防腐の作用を発揮します。弊社で取り扱っているワックス塗装フローリングとは、この蜜蝋を主成分としたワックスを塗装しています。蜜蝋を主原料とし、亜麻仁油などのオイルもブレンドしたオイルワックスです。木そのものの色、手触りをそのまま活かすことができるため、無垢フローリングの魅力を引き立てかつ効果的に保護することができます。
カバザクラ 蜜蝋ワックス塗装 無垢フローリング施工例
日常的なお手入れは、掃除機がけと乾いた雑巾での乾拭きが基本。ドライタイプのフロアーワイパーも有効です。
蜜蝋ワックス塗装は、木材表面を完全にコーティングするウレタン塗装と違い、大量の水を含んだ雑巾を使用すると水分を吸収してしまい、表面の毛羽立ちや白濁の原因になりかねませんので、水拭きは極力避けましょう。
●汚れやシミがついてしまったら
《黒ずみ・皮脂汚れ》
こまめに掃除をしていても、ついてしまう黒ずみや皮脂汚れ。その場合は、弊社のArbor水性クリーナーワックスを水道水で約10〜15倍に希釈した水溶液にきれいな雑巾を浸し、固く絞って拭き掃除しましょう。
《染み込んだ汚れ》
お醤油やコーヒー、マジックなどのひどい汚れが付いてしまった場合は、その部分を#180程度のサンドペーパーで削り落としてから#240〜320程度のサンドペーパーで木地調整し、再塗装します。(再塗装の方法は、下記を参照下さい。)ペットの排泄物などによる汚れも同じ方法で補修できます。
ただし、汚れが木材の深い層まで染み込んでしまった場合は、専門業者へ依頼した方よいでしょう。
なお、補修当初は再塗装された部分と、その周辺部分とでは色やツヤなどに微妙な違いが生じることがありますが、経年変化によって次第に馴染んできます。
●毛羽立ちが生じてしまったら
水分を含んでしまい、毛羽立ってしまった場合は、ストッキングにウエスを詰め込んだもので擦ると取り除くことができます。その後、その部分を蜜蝋ワックスを馴染ませてください。ストッキングの微小な網目が毛羽立ちを取り去るのに適しています。またスチールウールでも同じ効果が期待できます。
特にナラ、シルバーチェリー、タモ、ウォールナットは毛羽立ちが生じやすいので注意しましょう。
●白濁が生じてしまったら
ワックス塗装のフローリングに水分をこぼして長時間放置してしまうと、水とワックス成分が反応して白濁をおこす場合があります。そうなってしまった場合、軽度の白濁ならば、弊社取扱いのArbor水性クリーナーワックスやエタノールでふき取りましょう。それでも取れない場合は、サンディングをして、白濁部分を削り取り、再塗装してください。
半年から1年に1回を目安として、定期的に蜜蝋ワックスをかけるとワックス効果が維持され、フローリング全体の魅力を増すことができます。
ワックスがけには弊社取扱いの「Arbor蜜蝋樹脂ワックス」がおすすめ。このワックスは木の自然な風合いを活かしつつ、表面をマットに仕上げるワックスです。
引渡し前は掃除機で丁寧にゴミやホコリを取り除く程度にとどめ、水を使ったクリーニング作業は避けてください。木材表面のワックスが取れてしまい、毛羽立ちや塗装はがれの原因となります。
汚れが落ちない場合は、クリーナー効果のある弊社の「Arbor水性クリーナーワックス」を使用してください。クリーナーでも落ちない汚れは、#240のサンドペーパーで汚れ部分を削り、蜜蝋ワックスを塗布してください。
“ワックスがけ”難しいのではと敬遠されがちではないでしょうか?実は、木材の塗装の中で最も簡単で誰でもできるのがワックス塗装です。
弊社で扱っている蜜蝋ワックスはサラリとしているので水や溶剤で薄める必要がなく、使い方はウエスにとって、木目に沿ってすり込むように塗布するだけでOKです。
●塗装方法
用意するもの
・ワックス ・ウエス(古着のTシャツでもOK) ・スプーン ・必要ならばトレイ
①準備
表面の汚れやホコリと取り除く。
必要に応じて#180のサンドペーパーを使い、シミ・汚れ等を削り取り、#240〜#320のサンドペーパーで木地調整し、表面をきれいな状態にする。(毛羽立ち補修の場合は、ストッキングやスチールウールで毛羽立ちを取り除いてください。)
②塗装
ワックスをウエスに取り、木目に沿ってまんべんなくすり込むように塗布してください。
この際、塗りすぎにはご注意ください。ワックスの輝きが目視できる場合は付けすぎですので、うすく延ばしてください。
③ふき取り
塗装後、10分程度経過したら、乾いたきれいなウエスでふき取ります。ふき取りが十分でないと汚れが付着しやすくなりますので、しっかり行いましょう。
④乾燥
指触乾燥までに約30分必要です。完全乾燥までには12時間を要します。
⑤完成注意
塗装時に使用したウエスは、その環境によりごく稀に自然発火するおそれがありますので、使用後は必ず水に浸してから廃棄してください。
●水分に注意しましょう
水分は変色・ムクレを起こしたり、毛羽立ちや白濁を生じる原因となりますので、水槽や観葉植物等の鉢の扱いには十分注意しましょう。また、ペットの尿などの排泄物は床材を傷めるおそれがありますので、すぐにふき取りましょう。
●家具の脚などには緩衝材を
椅子やテーブルの脚の裏側にフェルトなどの緩衝材を貼ると、キズがつきにくくなります。
●熱にご用心
ホットカーペット、温風ヒーターやストーブの熱が直接当たると、目隙や表面割れが生じる場合がありますので、注意しましょう。床暖房をご使用の場合には、無垢フローリングの上にカーペットなどを敷かないようにしてください。放熱を妨げ、ひび割れなどの原因となります。ホットカーペットを使用する際は、下に断熱性の高いマット敷いて使用してください。
●強い日差しは避けましょう
長時間直射日光が当たると、日焼けによる変色する場合が稀にありますので、陽射しの強い時は、カーテンやブラインドで遮るようにしましょう。
●カラーリング剤に注意しましょう
自宅でヘアーカラーリング剤を使用する際には、床の上に薬液をこぼさないよう注意しましょう。
マルホンの無垢木材について
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無垢木材の「質感」・「香り」・「あたたかみ」を実際に体感いただくため、 株式会社マルホンでは、浜松と東京、大阪、福岡の4箇所にショールームを開設。 いずれもフローリングやパネリングを始めとする、国内外の豊富な木材をご紹介しております。
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