2017.09.19 | FSC
赤道付近は1年を通じて気温が高く、たくさんの雨が降ることから、豊かな熱帯雨林が広がっています。この地域には地球上の生物の過半数が生息しているとも言われていますが、樹木においても同様で、さまざまな種類の木々が生育しています。今回はその赤道付近で育ったユニークな4樹種を贅沢に床材に仕立てた「エクアトリアルウッド」をご紹介します。
画像1:鮮やかな色みが特徴的なパドック
「エクアトリアル(Equatorial)」には、「赤道の、赤道付近の」という意味があります。南米やアフリカを中心に、赤道に近い地域で育った個性豊かな4樹種を「エクアトリアルウッド」シリーズとして、無垢フローリングに仕立てました。重厚で耐久性に優れ、見た目にもカラフルで個性的なものばかりです。住宅に限らず、店舗や公共施設など重歩行用のフローリングとしても適しています。他に類を見ない個性的な木柄、美しい色を存分にお楽しみいただけます。
また、いずれも森林の持続可能性に配慮して調達した材のみを使用しているため、安心してお使いいただけます。
■カラフルな色
自然の木の色は、種類によってさまざまです。なかでもエクアトリアルウッドは、カラフルで色味の強い樹種が多いのが特徴です。木そのものの色を活かしたカラーコーディネートをお楽しみください。
■穏やかな木目と個性的な木柄
日本のように四季がある地域では、季節による寒暖差によって年輪がはっきりと現れる樹木が多く育ちます。一方、年間を通じて高温多湿で、水と太陽に恵まれた環境で育つエクアトリアルウッドは、1年中成長を続けているため年輪が明確には現れにくいのが特徴です。木目が穏やかな分、木本来の個性的な木柄や鮮やかな色、また色むらなどを堪能することができます。
■優れた耐久性
エクアトリアルウッドが生息する熱帯雨林は、世界一軽いバルサから世界一重いリグナムバイタまで、極めて多種多様な樹木が生息していますが、主に広葉樹から成立しています。広葉樹は一般的に重くて堅いと言われていますが、これは木が含んでいる空気の量に関係しています。木を構成する細胞と細胞の間には、無数に隙間が空いており、その細胞とその隙間に含まれる空気の割合を空隙率(クウゲキリツ)と呼びます。多くの広葉樹は空隙率が低く、比重が大きいため、木は重くなります。本エクアトリアルウッド・シリーズは、こうした重く堅い樹種で構成されています。
木材の堅さを表す指標「Janka硬さ」(ある一定の大きさ・重さの鉄球を木材にめり込ませるために必要とされる力を数値化したもの)において、土足による重歩行に耐えうる数値は1200以上とされています。エクアトリアルウッドは4樹種すべてが1200を超えており、クルパウに関しては4380と群を抜いています。重歩行に耐えうる堅さをそなえたエクアトリアルウッドは、店舗や公共施設など、不特定多数の人々が頻繁に土足で往来する場所にもお使いいただくことができます。
図1 樹種によるJunka硬さの違い
当社では、持続可能な木材資源の保持に配慮した調達をおこなっています。環境保全に関して責任ある管理された森林からの調達を心掛け、可能な限り認証材への需要にもお応えしています。認証材への注目は年々高まっており、2020年の東京オリンピックでも、競技場や関連施設に認証材が採用される方向です。エクアトリアルウッド・シリーズは、FSC®認証を取得しているもの、もしくはEUTR(EU木材規則)に則って調達されたもののみをご用意しています。
■FSC®(Forest Stewardship Council)
1994年に設立されたFSC®による国際基準の認証制度。その目的は「環境保全の面から見て適切で、社会的な利益をもたらし、経済的にも持続可能な森林管理」の推進です。FSC®のロゴマークが使用されている製品を選択することにより、環境に不可を与えることなく生産された木材を選びとることができ、森林保全の手助けにも繋がります。
■EUTR(EU木材規則: Timber Regulaition)
EU木材規制は、2010年に調印され、2013年3月に施行された条例です。違法に伐採された木材または木材製品がEU市場に入ることを防ぐため、事業者に対して注意義務を課しています。事業者に課される義務は、次の3つです。
1. 違法に伐採された木材や違法伐採木材を用いた製品のEU市場への出荷を禁止する。
2. EU市場に最初に木材を出荷するEU内の取引事業者に対し、「デューディリジェンス(due diligence=適切な注意)」を行使するよう義務付ける。
3. 木材製品の生産履歴管理を確保するため、サプライチェーン中の転売・加工に関わる事業者は、自社の供給業者および顧客についての記録を5年間保管する。
画像5:エクアトリアルウッドの施工例
(左上から時計回りに、ゼブラウッド・パドック・クルパウ・タララアマリヤ)
■ゼブラウッドZebra Wood
材面に現れるシマウマのような縞模様が、その名前の由来となっているゼブラウッド。カメルーンやガボンなどの西アフリカが原産の広葉樹で、古くから家具や楽器、ボタンなどに使用されてきました。ほかに類を見ない芸術的な模様が特徴で、長年使い込むうちに表面のツヤが増していくのも魅力のひとつです。重く堅い材は、多少のことでは傷がつきません。
世界中の数ある樹木の中でも、極めて個性的な樹種のひとつです。
※ヨーロッパを介し、EUTRに則って調達しています。
■パドックPadouk
鮮やかな赤い色をしているのが最大の特徴ですが、時間の経過とともに落ち着いた褐色へと変化します。アフリカ大陸の中央部、熱帯雨林に生息しているパドックは、強靭で堅く耐久性にも優れています。乾燥後の寸法安定性が高いため、木琴の一種であるシロフォンやギターなどの楽器にも使用されてきました。意匠性と機能性を併せ持つ高級材といえます。
※ヨーロッパを介し、EUTRに則って調達しています。
■クルパウCurupau
ボリビアやブラジル、アルゼンチンなど亜熱帯雨林から乾燥地帯まで広く分布しています。ヨーロッパでは「ダイヤモンドウッド」とも呼ばれるほど堅く、使い込むほどにツヤが増す高級材です。その樹皮は、皮膚病などの治療薬として使用されることも。近年では、九州を巡る寝台電車「ななつ星」の車内に使用されるなど、日本においても重宝されています。経年変化で深みのある赤褐色へと変化していく、色とりどりの材面が魅力的です。
※FSC®認証材です。
■タララアマリヤTrara Amarilla
材面が鮮やかな美しい黄色をしていることから、別名「カナリーウッド」とも呼ばれています。その特徴的な黄色の色味は、時間の経過とともに落ち着いた褐色系の色合いへと変化していきます。ボリビアやブラジルなどの南米を中心に生息しており、重厚でシロアリなどの虫害や腐食にも強いのが特徴です。家具やドアなどの内装材のほか、スティックと呼ばれる電気楽器に使用されることもあります。
※FSC®認証材です
空間の中で広い面積を占める床材選びは、インテリアイメージを左右する重要なポイントになります。経年美を味わうことができる個性的な表情は、オリジナリティ溢れる空間に仕上げてくれるはずです。エクアトリアルウッド・シリーズで、こだわりのつまった特別な空間を演出してみてはいかがでしょうか。
マルホンの無垢木材について
よく分かるカタログを無料でお届けしています。
お気軽にお申し込みください。
無垢木材の「質感」・「香り」・「あたたかみ」を実際に体感いただくため、 株式会社マルホンでは、浜松と東京、大阪、福岡の4箇所にショールームを開設。 いずれもフローリングやパネリングを始めとする、国内外の豊富な木材をご紹介しております。
専門スタッフが適材適所の木材選びをサポート。 目で見て、手で触れて、ダイレクトに感じて、ご希望に合った無垢木材をお選びください。