2006.06.17 | 堅さ
生活空間を支えるフローリングの条件として「堅さ」が挙げられます。しかし、一口に「堅さ」といっても、磨耗や引掻きに対する抵抗力の大きさであったり、曲げや圧縮、たわみに対する強さであったりと、その表す内容は様々です。
そこでフローリング材を選ぶ際に重要となる「堅さ」についてご紹介します。
店舗のフローリング 例 樹種:ピーカン
木材の堅さを表す指標には、「ヤンカ硬さ」と「ブリネル硬さ」の2つがあります。
(1)Janka(ヤンカ)硬さ
Jankaとは、主に欧米で参照されている数値で、ある一定の大きさ・重さの鉄球を木材にめり込ませるために必要とされる力を数値化したもの。ちなみに、1200以上で土足による重歩行に耐えうるとされています。この数値は、一般的な住宅用であればあまり重視する必要はありませんが、店舗や公共施設などのフローリング材を選ぶ際のひとつの目安にしてください。
試験方法は、木材に直径0.444インチ(11.28㎜)の鋼球を押し付け、それによってできる凹みが半球に達したときの荷重を堅さの値としています。
(2)ブリネル硬さ
ブリネル硬さとは、JIS(日本工業規格)で規定されている木材の堅さを表すもので、日本で一般的に採用されています。
試験方法は、直径10㎜の鋼球を深さ0.32㎜まで圧入、そのときの荷重を接触面積で割ったものを堅さの値としています。欧米で用いられているヤンカ硬さにしても、日本で使われているブリネル硬さにしても、押し付けによって生じる凹みに対する抵抗力の大きさを示すもので、指標が荷重か、単位面積あたりの荷重かの違いであり、どちらも数値が大きいほど表面が堅いということを表すことに変わりはありません。
<樹種別堅さの指標>
樹種別の堅さをレベル1〜7段階に表しました。(レベルが大きいほど堅さ) なお、土足による重歩行に耐えうる目安は、レベル4以上となります。
表 樹種別の堅さ
靴の中でもハイヒール、特に点で支えるピンヒールは、力(体重)が一点に集中します。そのため、ヒールが接地する箇所には、かなりの力がかかることとなります。
ピンヒールの跡が残ったフローリングの写真を見てください。たとえ体重48kgの女性でもピンヒールを履いた場合、フローリングにかかる負荷は体重200kgの巨漢力士の約150倍にもなり、このような跡を残してしまう結果になるのです。
ハイヒール、特にピンヒールで歩くことが予想される場所には、たとえ内装フローリングであっても堅い材料を選ぶことをおすすめします。
不特定多数の人々が頻繁に土足で往来する場所には堅い木材が適しています。しかし、硬度の低い木材は柔軟性があるため、足腰へ負担を軽減する効果が得られます。また、木材中にたくさんの空気を含んでいるため、あたたかく足の裏へのあたりが優しく感じられます。このように、フローリング材は堅いほどいいということではなく、目的や用途に合わせた堅さを選ぶ、ということが重要と言えるでしょう。
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