短い木のピースを組み合わせた寄木張りフローリングは、伝統を重んじるヨーロッパで愛されてきた技法で、日本においても明治以降、モダンな床として公共施設などに使用されていました。昨今、その意匠性が見直され、再び注目を集めています。そこで今回は、無垢フローリングの表現方法の一つである、寄木張りフローリングを紹介します。
寄木張りフローリングとは、ヘリンボーンや市松模様などのように、小さな木のピースを組み合わせて一定のパターンに張り上げたフローリングのことを指し、パーケット(parquet:寄木細工・寄木張りの床)と呼ばれることもあります。
寄木張りのフロアーにする場合、実なしや三方雌実などの定尺フローリングを、ヘリンボーンなどのパターンに1ピース1ピース施工していく方法や、既に市松などの模様が出来上がっている「モザイクパーケット」や「フローリングブロック」を施工する方法などがあります。
フローリングブロック
「モザイクパーケット」とは、板材の小片(長辺225mm以下)を2枚以上並べて、紙やカルプなどを使用して組み合わせたものを指し、「フローリングブロック」とは、板材を2枚以上並べて正方形または長方形に接合したものを指します。一般的に、フローリングブロックは、正方形の大きさが概ね300mm角程度の大きさです。
寄木張りフローリングは、その意匠性の高さの他にも、寸法安定性におけるメリットがあります。
木材の膨張収縮率は、長さ方向と巾方向とで異なり、一般的に巾方向の方が動きやすいとされています。寄木張りの場合は、木目を交差させた張り方になるため、木材の動きを分散させる効果があります。
寄木張りフローリングはその寸法安定性の高さから、直張りに使用できるタイプも多くあります。
一般的に無垢木材の施工には、捨て張りが必要とされますが、裏にカルプが貼られた寄木張りフローリングの場合は、直張りが可能となり、床の高さ(レベル)調整がしやすくなります。そのため、店舗の改修などにも適しています。
※直張りの場合、モルタル下地が完全に乾いているかを確認し、モルタル表面の異物や残留セメントを完全に取り除いてから施工するなどの注意が必要です。
寄木張りをふんだんに使用した建築物にフランスのルイ14世が建てたベルサイユ宮殿があり、部屋ごとに異なるデザインパターンが採用され、雰囲気を変えていました。そのなかで特に有名なパターンがヘリンボーン。ヘリンボーンとは「herring(ニシン)」と「bone(骨)」を組み合わせたもので、洋服生地の定番柄にもあります。
日本では、迎賓館に代表される明治期以降の洋館建築で度々採用され、当時はモダンな雰囲気を醸し出すデザイン性豊かなものとして、もてはやされました。
今では寄木張りのユニーク且つレトロな雰囲気が新鮮に捉えられ、商業施設だけではなく、一般住宅に使用されるケースも増えつつあります。
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