2012.03.17 | 格子
空間と空間を緩やかに区切り、光や風を取り込む格子。
格子戸、格子窓、面格子、ラティスなどさまざまな名称や用途で用いられています。無垢のフローリングやカウンターを使用した空間に、無垢で作った格子をコーディネートすると、空間そのものの質を高めます。今回は「間仕切り格子」と呼ばれる内装用の無垢の格子についてお届けします。
格子:ウォールナット
古都を歩くと、家々の格子が街並みに趣を添える様子が目に入ります。社寺建築に由来する格子は、室町時代には格子窓として用いられ、防御の役割が強い、太くてしっかりしたものでしたが、時が経つにつれて、細くて優美な意匠性の高い形状に変化していきます。町家に見られる形状は、商いの種類や店構えの立派さの象徴ともなりました。
防御や象徴としての役割だけではなく、格子には壁や扉ほど厳密に空間を区切らないため、閉塞感を和らげる効果があります。また、桟の隙間から視覚的な情報が得られ、開放的になりすぎず安心感が得られます。風の通り道を作ったり、光による陰影を生んだりするのも大きな効果です。
格子:サペリ
無垢の格子は、図1のように基本モジュールが幅900mm×高さ2400mmと設定されています。しかし、マルホンでは原材料となるランバー(原板)を使って一から作るため、オーダーに合わせ、部材の厚み・幅・長さをカスタマイズすることができます。
そもそも格子は、図1のように、上下方向を支える「上枠」「下枠」と、左右方向を支える「左格子」「右格子」の中に、「縦桟(格子子)」と「横桟(貫)」が入って構成されます。それぞれ20〜30mm×60〜80mm前後の部材を、現場で組み上げて作ります。
格子は多少の歪みでも目立ってしまうので、横桟を入れる、もしくは縦桟を太くしっかりしたものにすることによって、まっすぐに矯正します。横桟を入れる場合は、1200mm以上の間隔を空けないよう入れていきます。現場では一旦仮組みをし、上下枠の下穴に合わせてビス止めを行った後、接着剤と釘を併用して組んでいきます。設置する際は横桟が格子の裏面にくるようにすると良いでしょう。
リビングなど家族が集う空間に使用することで、プライベートなスペースを確保しつつもお互いの様子が掴めたり、玄関におくことで来客からの簡単な目隠しや灯り取りになるなど、格子の役割や使われ方はさまざまです。そのため、使うシーンによってふさわしい格子も異なります。役割が違えば形も異なるというわけです。無垢で作る格子の場合、樹種選びやサイズのカスタマイズにより、場所や目的に合った格子に仕上がります。
光や風を取り込んで心地よい空間を創り出すだけでなく、場所や形により空間の使い方も広げる格子。自然素材である無垢木材を使って、オリジナルの格子を作ってみませんか。
▼製品情報 – 格子
https://www.mokuzai.com/product/koushi/
<参考文献>
日向進編(1997)『日本の窓』株式会社淡交社.
澤井聖一編(1996)『木のデザイン図鑑』エクスナレッジ.
マルホンの無垢木材について
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無垢木材の「質感」・「香り」・「あたたかみ」を実際に体感いただくため、 株式会社マルホンでは、浜松と東京、大阪、福岡の4箇所にショールームを開設。 いずれもフローリングやパネリングを始めとする、国内外の豊富な木材をご紹介しております。
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