無垢フローリングには、乱尺張り、りゃんこ張り、さらにはデザイン性の高い寄木張りや朝鮮張りといったさまざまな張り方やパターンがありますが、それは素材のサイズやタイプにより決まります。現在、ナラ材をはじめとする広葉樹ではユニタイプのフローリングが多く見られますが、素材の味をさらに活かした乱尺タイプのフローリングも多く見受けられるようになりました。ここでは、そんなフローリングの張り方バリエーションをご紹介します。
一般的なフローリングの張り方バリエーション
■乱尺張り
乱尺とはフローリング材の長さが一定ではなく、一般的には300mm以上のさまざまな長さのフローリング材の四方に本実加工を施したものです。木口のつなぎ目が一枚ごとに明瞭なため、一枚一枚がより独立した形で木の印象を表現します。そのため、仮並べにより、色合いや木柄のバランスを調整したり、木口のつなぎ目が隣の板と重ならないような施工上の工夫をすることで、床面の雰囲気がいっそう引き立ちます。
<ソリッドユニタイプとのちがい>
ソリッドユニタイプのフローリングとは、製造工程の段階でさまざまな長さの板を木柄や色合いなど素材の特徴が均一になるように数枚を1820mmなど一定の長さにつなぎあわせたものです。張り上がりは一見乱尺とよく似ていますが、製造工程でつなぎあわせた接合部が、乱尺フローリングと比べて平面的で無垢木材の素朴さを欠くという点は否めません。施工の手間が軽減されるだけでなく、施工者による張りあがりのバラつきが少ないのが特徴です。
■りゃんこ張り
同じ寸法のものを、一定にずらして張る方法をりゃんこ張り、またはずらし張りといいます。特に長さの半分の寸法ずつずらす方法を、レンガ張りと呼ぶこともあります。3尺ずらし、1尺ずらしなど、ずらす寸法によって、並べ方も変わりますが、木口のつなぎ目を直線上に合わせることで整然とした印象を与えます。
デザイン性の高いフローリングの張り方バリエーション
■斜め張り
壁に対してフローリングを斜めに張り上げるため、床の独立性を強調した、動きのある空間に仕上がります。
■寄木張り
ヘリンボーン張り/市松張り
無垢木材の小片を、ヘリンボーンや市松といった模様に張り上げることを寄木張りといいます。
明治・大正時代に建てられた洋館にこの寄木張りが採用されたことから、クラッシックな雰囲気も感じさせるデザイン性の高いフローリングに仕上げることができます。
市松張り *参考画像
■韓国張り
朝鮮半島の古い民家によく見られた張り方のひとつです。短い素材を広い空間に張り上げ、整然と落ち着いた雰囲気をつくるのに効果的です。
■すだれ張り
同じ長さのフローリング材を巾方向の接合面をそろえて張る方法をすだれ張りといいます。すだれ張りというと天井によくされる張り方ですが、この手法を床に応用した張り方です。
一見、朝鮮張りと似ていますが、違いは長尺材を入れないのが特徴です。
フローリングは、空間デザインの重要な部分のひとつ。フローリング選びの1つに、張り方も加えることでデザインの幅は大きく広がります。