浸透性塗料で仕上げたフローリングは、お手入れをしないからといって、割れたり、反ったりしてくるわけではありません。しかし、木材に浸透している塗料は、お住まいになっていくうちにこすれてとれてきますので、定期的に再塗装を行い、保護力を高めてあげましょう。そうすることで、汚れをつきにくくし、色、ツヤが蘇って、より無垢フローリングを長く美しく保つことができるようになります。
● 年に何度もお手入れが必要?
無垢フローリングのお手入れは、塗料を塗れば塗るほどよい、と考えている方が多いかもしれませんが、一般住宅の場合、年に1度を目安にお手入れをすれば大丈夫です。また、木材が吸収できる塗料の量には限りがあるため、頻繁に塗ってもべたつきの原因となり、汚れがつきやすくなってしまうので逆効果。ある程度の期間は空けて塗装しましょう。
* キッチン周りなど汚れが気になる場所については、半年に1度くらいを目安にお手入れすれば、よりきれいな状態を保つことができます。
* 浸透性塗料の場合は、お住まいになって数年間しっかりとお手入れを行うことで塗料が馴染み次第に保護力が安定してきます。その後は汚れのつき具合によって、数年に1度にするなど様子をみてお手入れしていきましょう。
● フローリング全面に塗るの?
家具の下やお部屋の隅の方など、塗装がとれにくい部分が気にならないようであれば、大きな家具を移動してまで床全面を再塗装する必要はありません。よく歩く部分や拭き掃除をする部分は塗料がとれやすく、乾いた感じになり、汚れがつきやすくなってきますので、そのような部分を重点的に行います。無着色の塗料であれば、極端な塗りムラが出ることはありませんが、色、ツヤの違いが気になる場合は全面に再塗装を行ってください。
● 上手に塗装するコツは?
はじめての塗装は、誰でも上手にできるか不安に感じるものです。しかし、コツさえ抑えておけばどなたでも失敗なく塗ることができます。塗装の失敗の大半は、塗りすぎや乾拭きを怠ったことによるべたつきです。きれいに仕上げるには、少量を薄くすり込むことと、べたつきがなくなるまで、乾拭きをしっかり行うことを心がけましょう。
● 用意するもの
・現在お使いのフローリングの仕上げと同じ塗料(ベーシックオイルの場合はArbor植物オイル)
・ウエス(Tシャツやシーツのはぎれなど)
・サンドペーパー(紙やすり)180番・240番・320番の3種
(マットデュアルフィニッシュ仕上げの場合は、#600またはスチールウール)
・サンドペーパーブロック(サンドペーパーを固定する四角いもの)
・塗料を入れるトレイ
・マスキングテープ
● お手入れの工程
STEP1 表面のクリーニング
塗料を塗る前に、日々の汚れや気になるシミを取り除きましょう。
① 表面の塵やほこりを掃除機などで除去。
② その他に気になるシミや汚れがある場合は除去しておく。
〈軽微な汚れを落とす〉
表面を全体的にお掃除したい時、皮脂汚れや黒ずみなどの、表面上の汚れを簡単に落としたい時
→Arbor水性クリーナーワックスを使う
日常のお手入れにも使える、天然原料のみを使用したお肌に優しいクリーナー。汚れの度合いに合わせて、水で希釈して使用するタイプ。
〈頑固な汚れを落とす〉
Arbor水性クリーナーワックスでは落ちない頑固な汚れ・シミを落としたい時
→サンディングをする
サンドペーパーを使い、傷や汚れを木材ごと削って落とす。削りすぎるとムラになる可能性があるので注意。(木材が日焼けにより激しく色が変化するのは表面から約0.2mmの深さまでと言われています。)削った後は再塗装が必要。