シックハウス症候群が社会問題化して以来、揮発性有機化合物(VOC)に対する関心が高まっています。
VOCについては未だ完全に解明されていないため、国によって見解が分かれているのが現状です。例えば、環境問題に関心の高いEUでは3万種類とも言われておりますが、日本では、厚生労働省がシックハウス対策のガイドラインとして室内濃度指針値を策定したVOCは13種類に過ぎません。
新建築基準法の施行以来、「F☆☆☆☆」や「大臣認定」といった表記を頻繁に見かけるようになりました。
F☆☆☆☆は、JIS・JASがホルムアルデヒドの放散量によって定めた4段階ある等級の最上位で、放散量(平均0.3mg/L以下・最大0.4mg/L以下)が小さく使用規制を受けない建材であることを示しています。それより下位の等級は一定の割合で使用できますが(F☆は内装材として使用できません)、消費者の立場からすればF☆☆☆☆以外は住空間に使用したくないと考えるのは当然であり、建材選択にあたっての必要絶対条件となってしまったということが現状ではないでしょうか。
一方の大臣認定は、JIS・JASに該当しない建材に関する国土交通大臣認定のことで、第1種、第2種および第3種ホルムアルデヒド発散建築材料、規制対象外の4種類に区分されていて、最上位規格である規制対象外の大臣認定は制限なく使用できるため、F☆☆☆☆に相当します。JIS・JASによる各区分との相関関係は次の表の通りです。
表:合板・木質フローリング・構造用パネル・集成材のホルムアルデヒド放散量による区分JIS・JASによる表示区分
| 国土交通大臣による認定
| ホルムアルデヒド放散量 | 使用制限 |
平均値
| 最大値
|
F☆☆☆☆ | 規制対象外 | 0.3mg/L | 0.4mg/L | 制限なし |
F☆☆☆ | 第3種ホルムアルデヒド発散材料 | 0.4mg/L | 0.7mg/L | 制限あり |
F☆☆ | 第2種ホルムアルデヒド発散材料 | 1.5mg/L | 2.1mg/L | 制限あり |
F☆ | 第1種ホルムアルデヒド発散材料 | 5.0mg/L | 7.0mg/L | 使用禁止 |